クロアチア(後編)

  • ドブロブニクへ飛行機で移動。窓から見下ろすと到着地は薄曇り。アドリア海は真っ青でないと困るんだけどなあ(笑)。空港から1時間弱、海を見下ろす道をうねうねバスに揺られていると、やがてドブロブニクが見えてきます。…うわー、これは綺麗だわ。すごいわ。アドリア海に突き出した、白い壁とオレンジ屋根の城塞都市。何度もガイドブックで眺めた景色ではあるけれど、感動もひとしお。
  • 旧市街のピレゲート前ターミナルでリムジンバスを降り、先にホテルに向かうべく路線バスに乗り換え。チケット売場でホテル名を言って路線番号を聞き、運転手さんにも確認。そんな私達が余程頼りなく見えたかはたまた余程暇だったか、カナダ人の教授を自称するおっちゃんがホテルまで案内してくれると言う。おお今回初めて本物の英語を聞いた。やっぱり本物は難しいね。ゆっくり喋ってプロフェッサー。
  • How longなんとか…と早口の疑問形で聴かれて、そこしか聴き取れなかったので、こういう時に訊かれる定番は「どれくらい滞在するの?」か「日本からどれくらいかかった?」かどっちかだ!よっしゃ前者でいこう!1/2の賭けだ!とばかりに「3days!」って答えたら、愕然とした顔で「うわ、遠っ!」て言われた。あ、しまった後者だったか。
  • 「コンパス」というビーチに面したホテルをとったのだけど、バス停から自力で辿り着くのは厳しいやろこれ…ていう場所にありました。ホテルザグレブ(今度はドブロブニクにあるのにザグレブか)の角でバスを降りて、そこからリゾート地然とした遊歩道を海にぶつかるまで歩く。そしてビーチサイドからホテルに入り、エレベーターで最上階のフロントを目指す。高度やろこれ。崖ぎわみたいなとこに立ってて、建物裏の車道(表?バスも通ってるのかもしれない)から来ると最上階エントランスの高さに着くみたいやねんけど。ありがとうプロフェッサー。恩人ですプロフェッサー。
  • チェックインを済ませ、再び歩いてバス停に戻ります。ホテルとバス停の間の遊歩道にはカフェが立ち並び、道に面したテーブル席は、椅子がブランコになってます。わ、あれ座りたーい。小腹がすいたので旧市街に遊びに行く前におやつにしよう、そしてブランコに座ろう、とカフェに入る。再びパラチンケを注文すると、店のオヤジさんに「ドリンクだけじゃなく食べるなら奥のテーブル席に来い、こっちのほうが上等な席だ」と移動させられる。ブランコに乗ってくつろぎたい浮かれ気分は理解してもらえなかったようです無念。でも後でささっと座って写真撮ったった。
  • 再びバスに乗って旧市街に戻る。ピレ門をくぐる。おおお異世界ですよ!なにこの街!(語彙少なくてすんません)美しい石造りの街は、内戦でかなりの被害を受けたそうですが、市民の手でひとつひとつ欠片を拾い集め、元通りに修復されたそうです。
  • メインの通りの左右に走る細い路地の雰囲気がものすごく素敵。ええ路地や、ええ路地や、と呟きながら写真を撮りまくる人達。夕暮れ時がまた並んだランプに灯りがともって素敵なんですよう。
  • 夕食はカキが有名だという「カメニツァ」へ。生牡蠣少々、タコのマリネ、魚介のリゾット。ああ美味…。ダルマチア風プリンとやらも食べてみる。あ、お母さんの味。おうちで作るプリンの味+ほんのりスパイスの香り。ほんま何食べても口に合うわ…
  • 翌日は街中探検。街を取り囲む城壁の上は一周歩けるようになっているので、のぼってみる(有料)。なんて綺麗、なんて綺麗な街、とため息をつきながら歩く。ところでこの城壁、街側も海側もかなりな高さなんですが、時々縁が膝くらいまでの高さしかないよ…?見回り中に酔っ払って落っこちた歩哨とかいただろうなあ。
  • ドブロブニク世界遺産ですが、中で普通に暮らしている人もたくさんいます。窓からロープを渡して洗濯物が干してあったり、石の壁にチョークでゴールを描いてサッカーしてる少年がいたり、それもいい雰囲気です。
  • そういえば背中におもちゃの刀を差して自転車で走ってる坊やがいたり、街の映画館で『隠し剣鬼の爪』をやってたりしましたよ。
  • プラツァ通りでさかんに客引きをしていた「パックス」でお昼。そういえばここは国際的な観光地なので、メニューはクロアチア語だけでなく、イタリア語(近所なのでイタリア人はたくさん見かける)英語仏語独語ハンガリー語など数ヶ国語で書いてある。ので一言語を見てわからなくても、どれかひとつくらいは馴染みのメニュー名になってて、便利。まだ日本語はなかったけど、何年かしたらできてそうだ。あまりできてほしくはない気もする。
  • ムール貝とパスタを一皿ずつ頼んでシェア、そんなささやかなランチを楽しむ我々の隣のテーブルに欧米人の老夫婦2組が座った。どこの人なのかなーと何気なく見ていると、シーフードの美味いところに来ているのに、巨大な仔牛のステーキ山盛りフライドポテト添えをオーダー。あっという間に平らげられてゆく。合間にワインワインワイン。お店の人の「ブォーノ?」に「トレビアーン!」とお返事。がっつり食べ終えると全員喫煙。おもむろに「デセールのメニューをいただける?」と、日本ならチャレンジイベント級の大きさのパフェを全員注文。あっという間に平らげる。どんだけフランス人ですか(笑)。
  • 街の背後に聳えるスルジ山にのぼりにゆく。歩いても行けるそうですが、見るからに急勾配なのでタクシーで。頂上からの、アドリア海に浮かぶ旧市街の眺めはそれはもう素晴らしいですが、ここには内戦で破壊された観光用ロープウェイの駅の残骸がそのままになってます。場所によってはまだ地雷が埋まっているそうです。犠牲者もでているとか。沈思。
  • 街に降りてきて、お土産を探してお店をのぞきつつお散歩。夕食はふらりと入ったレストラン。お店の名前は忘れてしまったけど、「時計塔」って意味でした。街のシンボルの。英語も微妙に通じなかったけどおいしかった☆
  • お土産には割と困りました…(笑)。何もかも美しくておいしいけど持って帰れるものがなーい。お土産的民芸品はそれなりにあって実家に1個くらい置いとくくらいならいいけど若い友達にはなあ。食材あげるほどの料理好きもいないしなあ。プラツァ通りにあった、いかにも若者プロデュースって感じの海モチーフの雑貨屋さんがちょっと重宝しました。あとクロアチア航空の機内おやつに出たクッキーがスパイシーで悪くなかったので探したらザグレブの空港内で1枚ずつ売ってたのでバラ撒き用に。割高だけどねえ。
  • 翌日はアドリア海半日クルーズ。ホテルの前にたくさんマリンツアーの出張デスクが出ていたので、着いた日に適当に選んで予約しといたもの。みんな競争なので交渉次第で安くなりそう。旧市街の港から出航。青い青いアドリア海をまったり進んで島に着いて1時間くらい放し飼いにされて、また次の島まで進んで1時間くらい放し飼いにされて…島々には何かあるっちゃあるけど何もないっちゃないのでひどく緩やかな半日になりました。15分ほど散歩してあとは出発時間までバッグを枕に海辺のベンチで昼寝したり。お昼は船内で出ます。イワシくらいの小魚を塩で炒めたのとキャベツを軽く酢漬けにした的なのをどさっとお皿に放り込んだもの。魚は真っ黒に焦げるまで炒めるのがコツです☆(笑)いや素朴でそれなりにおいしかったけど。
  • 戻ってきて欧米人の真似してでっかいジェラート食べて(でも日が傾いて気温が下がってきたのでちょっとさぶかったw何故彼らは平気で短パンTシャツサンダル姿でこんなのがっついてるんだ?)またぷらぷら散歩。
  • 最後の晩餐は再びカメニツァ。生牡蠣やプリンをたっぷり食べて名残を惜しみましたー。