クロアチア(前編)

2007年のゴールデンウィークの、クロアチア旅行記です。

ザグレブドブロブニクだけのゆったり2都市滞在。美しくて食べ物はおいしくて日本人がまだ少なくてとても気に入りました。でもチャーター直行便ができたらしいしこれからは日本からの観光客も増えそうですね。広告もかなり見かけるようになったしなあ。

  • ウィーンかパリで乗換なのだけどウィーン便は満席だったため若干遠回りのパリ乗換。エールフランスJALの共同運航便。現地に到着するのがわりと夜遅いため、空港でもし銀行閉まってたら両替どうしよう、空港からホテルへの交通費に困る、とやや不安に。シャルルドゴールの両替所にクローネが用意されているかどうか、ダメ元でまずエールフランスに電話してみたら「当方では関知しておりません」のひと言で瞬殺。流石の超個人主義おフランス。次にJALの窓口へ行ってみたら何人も頭つきあわせて相談してあちこち問い合わせてくれた結果「申し訳ございませんどうしてもわかりませんでした」。どっちが正しいってこともないけどあからさまな体質の違いが面白かった(笑)。…結局着いてみたら普通に空港の両替所の窓口は開いてました。そりゃそうか。到着便がある限りあいてるよな。ただ一つしかないATMには故障中の張り紙が…頼むで(笑)。
  • 空港からザグレブへはバスもあるけれど、ザグレブのバスターミナルは市街からやや離れているためホテルに行くにはさらにトラムに乗り換えなくてはならず、夜も遅いしめんどくせーてことでタク移動。ザグレブでの滞在はドブロブニクホテル(ザグレブなのにドブロブニクとはこれいかに)。街の中心・イエラチッチ広場の目の前で大変便利でした。
  • ホテルで朝食の後、徒歩で市内観光開始。小さい街なので半日あれば回れてしまいます。タイル模様の屋根の教会がかわいい。この教会前はクロアチアの官庁街で右は国会議事堂、左は首相官邸らしいんですが…めちゃめちゃ緩いよ?建物すごい小さいよ?休日とはいえ警備員すらいないよ?買い物籠を下げた市場帰りのおばあちゃんが杖をついてゆっくり広場を横切る、そんな永田町。
  • 丘の小道をぷらぷら散歩していると、同じく暇そうなおじいさんがドバルダン!(こんにちは)とにっこり挨拶してくれたりします。ほのぼの。そういえばクロアチアは観光国だから英語が通じるとガイドブックには書いてあったけど、通じるゆーてもせいぜい日本程度という感じ。まあお互い片言なので英語圏よりもかえって気楽でした。どうしても通じなくて困ったときは、タイミングよく出版されたばかりの『指差し会話帳』が大活躍。この本、見てて楽しいし便利で好きだけどどの国版でも「結婚しよう」とか「子どもができたの」とかいう例があるのは何故。指さしてる場合じゃないだろうその段階で。
  • お昼はホテルから数10m南のイタリアン「ボバン」へ。有名な元サッカー選手のお店だそうですね。私はサッカー全然わからんけど友達はテンション上がってた。サッカー色が強いのかと思いきや普通にシックな内装でした。そして美味しかった。マッシュルームのリゾット、トマトベースのパスタ。ちょっと多くて完食できず無念。クロアチアは北部は東欧に接しているので日本人の口に合う東欧料理に近いものが食べられ、南の海沿いではイタリア風の魚介料理が食べられます。どこで何食べても美味しいかったわーほんま。
  • 翌日はプリトヴィチェ国立公園に行くつもりだったので、一日ツアーに参加しようかと旅行社を探しにいくも休日のためどこもお休み。しょうがないので路線バスで行くことにして、イエラチッチ広場の東南隅の観光案内所でバスが出るターミナルへの行き方を教えてもらう。ぶっつけ本番は不安なので広場から6番のトラムに乗って下見にゆきました。トラムの切符は乗り場近くのキオスクで購入。乗ったら各自機械に通して打刻する…んだけど誰も通してない。定期もってるのかもしれないけど。しかも機械故障してるし。
  • バスターミナルでは、日本のように時刻表は表示されてないので、チケット窓口でプリトヴィチェを通るバスのタイムテーブル頂戴!と訴える。通じた。プリントアウトしてくれた。何社か運行してて会社によって料金が微妙に違うらしい。帰りのバス停にも絶対時刻表ないよなぁ危険だよなぁと思って、帰りのタイムテーブル頂戴!と訴える。通じなかった。取りいだしたる『指差し会話帳』で「戻り」を指すと通じた。ありがとう指差し会話帳。
  • 無事予習を終えて市街に戻り、どのガイドブックにも載ってるスイーツの店「ヴィンチェク」へ。イエラチッチ広場の前の道を5分ほど西へ。とても賑わってる。早朝から深夜まであいているらしい。ジェラートもケーキも有名らしい。ジェラートにしてみました。ああーめっちゃうま。ケーキも食べたかった。しかし胃袋にも限界というものがあった。また巨大なんですよショーケースのケーキ。
  • またぷらぷらお散歩して、夜はシーフードが美味しいと地球の歩き方に載っていたレストランへ。お店のおっちゃんは極めて片言の日本語が話せる。おすすめは「サカナノスープ」と「ヤキタコトジャガイモ」だというので言いなりになる。あともう一皿…と魚らしきものを頼もうとすると、なにやらさっきのとニテルから、オナジだからやめろという。ようわからんけどそーなん?じゃ何がいいかな? 「コレ。イカ、オイシイ」 …タコとかぶってね?まあいいやじゃあそれで。
  • 白身魚のスープはじんわり優しい味。はぁ、うま。そして出てきたメインの料理、まず焼きタコと炒めたじゃが芋。そして勧められた焼きイカ。付け合せはやっぱり炒めたじゃが芋。…めっちゃかぶってるよな?(笑)味付けは違ったしじゃが芋の調理法もちょっと違ったし、飽きはしませんでしたけど、だいぶおもしろかったです。日本だとイカに求める魅力とタコに求める魅力はかなり近いと思うのですが、こっちだと全然違うんですかね。実際、タコが、ふわふわしてたんですよ。噛み付いてびっくりした。どう料理したらこうなるんかな。タコはぷりぷりこりこりしてるのが美味いと思ってたけど予想外のこれもおいしい!
  • ところで2食経験したこの時点で、サラダorスープ+メイン2皿だと食べきれないということにようやく気づきました。女子2人ならメイン1皿が適量です。そうするとデザートも楽しめます。
  • 翌朝早くホテルを出て、バスターミナルへ。時刻表にあった時間より30分以上遅れてバス到着。ザグレブが始発ではなく、別の都市から来るためのようです。まあ日本ちゃうし普通やね。時折バス停に寄りながら2、3時間の旅です。バスはスプリット行きで、プリトヴィチェは途中にあるので、そっと周りを見渡してプリトヴィチェまでのチケットを握った客がいるか偵察してみたり、寝ないできょろきょろしたりして、皆にくっついて降りました。
  • …ちなみにザグレブで遅れたバスを待っている間、結構寒かったので(晴れた昼間は汗ばむくらいだけど朝晩冷え込むの)ヤバイかなーと思ってたのですが、案の定途中でトイレに行きたくなる(笑)。トイレつきの車両もたまにあるらしいので運転手さんにきいてみるも、すげなく首をすくめられる。…がんばれ、俺。いやぁしかし人間て面白いものですね。気を紛らわそうとしてもトイレ行きたいとなったらもうそのことしか考えられないよね。意思の力がなんぼのもんじゃい。自然が俺を呼んでいる。おそるべし生理現象。野を越え山を越え街を抜け走るバス。トイレのあるようなバスターミナルに停まってくれないものか。しかしどこにも停まってくれない。やがて足が16ビートを刻みだす。と、バスが小さな店の並ぶ街角に停まったではないか。バス停ではなさそうだ。なんで停まったのかわからない。しかし今しかない!降りるんだ俺!「エクスキューズミー。ワタシとっても気分が悪いデス…(婉曲表現)」 あーさっきのおまえかしょーがねーガキだな降りろ降りろあそこ行ってこい、と目の前のカフェを指す運転手のおっちゃん。かたじけない!恩に着る!…というわけで無事落ち着きました。路線バス止めてもうた。あーあこんなこと日本でだって子どものころだってしたことないよ。
  • 公園の入り口はアホみたいな行列。世界中から観光客が押し寄せているけれど、チケット売場窓口の発券機が一台しかないらしい。お姉さんが一人いて、その都度プリンタからチケットが出てくるらしい。そして団体客のガイドが度々割り込んで何十枚と発券させるらしい。まじでかー鎌倉大仏だって窓口は複数あるよ?効率という考え方自体ないのかもしれない。それとも入場制限がわりになってちょうどいいのか。ともかく入るまでに1時間ほど並びました。観光シーズンなら、なるべく朝早く到着されることをおすすめします。
  • でもこの1年後、別の友人が同じゴールデンウィークの時期に行ったときは、ガラガラスイスイだったらしいです。日頃の行いであろうか。
  • さてプリトヴィチェは、十数の湖が瀬や小さな滝で連なった、それはそれは美しいところです。東の九塞溝、西のプリトヴィチェという人もいるらしい。遊歩道が整備されているので風景を楽しみながら散策します。回り方は所要時間によって色々ございます。入り口の案内看板をみて、半分ほど巡って別の入り口から出てくるコースに決定。案内地図をデジカメで撮影。便利な時代だ。
  • 次々に現れる、透明なエメラルドグリーンの静かな湖。素晴らしくきれい。水底の倒木も小魚もはっきり見える。…日本人はこの湖の写真をさかんに撮っているけど、欧米人は小さな滝や早瀬にえらく食いついている。ああ珍しいものの基準が違うんだなあ。これくらいの流れ、日本のどの山にもあるけど、欧米はひらべったい地形多いもんなあ。
  • 一番大きな湖を遊覧船で渡ります。この遊覧船がまた並ぶんやわ(笑)。何隻か往復してるんですが、客の数に対して明らかに足りてない。そして、ぽつんと1隻きたり、ずっと間があいて3隻まとめて来たりする。この3隻が、手早く次々発着すればいいものを、何故か3隻全て着岸するまで乗降させない。そしてイタリア人団体客同士がグループなのにばらけただのこっちが先に並んでたんだだの揉めてなかなか乗り込まない。えーからさっさとスシ詰めになって出発せえや!…というわけで船着場の広場には数千人が列を作っています。ここでも1時間以上かかったよ(笑)。お昼はこの広場でとりました。軽食の売店があって、ちょっとしたサンドイッチとか売ってます。ここでの食べ物状況が事前にわからずパン1つと飲み物を用意していたので、アップフェルシュトゥルーデル(ウィーン菓子ですな)1つだけ購入。たくさんあるベンチで食べたけど、よく考えたら並びながら食べればよかったかー。ちなみに船を降りた先にはお店は何もなかったように思います。広いのは下流側だけ。
  • 主な見どころを歩き終えたら、園内を走る遊覧バスに乗り、入ってきたとことは別のゲート…駐車場側のゲートに到着。ザグレブに戻るバス停を求めてコテージやレストランの並びを通り抜け、幹線道路に出る。バス停ってあれかな?特になんの表示もないけどぽつんと小さな小屋を発見。あまりに簡素なので、トイレ(←懲りた)がてら駐車場のインフォメーションまで行って確認してみたら、やっぱ正解でした。余裕持って出てきたので30分近く暇でしたが早めに通過しちゃうこともあるらしいので要注意。帰りのチケットは車内で購入。シーズンだと座れなかったりするのかしら。
  • がくがく居眠りしながらザグレブ帰着。夕食は地元料理のレストランに飛び込んでみた。ヌードル入りのスープ、あとザグレブ風カツレツとやらはウィナーシュニッツェルに似てるけど中にチーズとハムが入ってた。美味しいけど、肉の中にチーズはともかくハムが入る発想がちょっと面白い。そしてやっとデザートに辿り着ける万歳。パラチンケ発見。東欧一帯で同じような名前で呼ばれてる、普通のクレープのことです。やっぱごはん似てるんだなあ。お家で作ったような素直な味で美味しかった。
  • 3日目、ドブロブニクへの移動日。さっきから妙にあけすけな日記になってますけどもここでえらく予定外の生理襲来。うーむ装備一式持ってきてはいるけど若干心許ない。というわけで近くの薬局へGO。田舎じゃなく首都の街の真ん中にいるときで良かった。ほほうイタリア製ですか。羽根つきでしたけど、昔懐かしい、シールを一か所ずつちまちま剥がすやつでした。羽根つきが登場した頃ってこんなのだったなあ(笑)。日本て衛生用品も最先端だって言いますよね。