最近読んだ本

ついでに。最近って、ここ8ヶ月くらい(笑)。


『魔王』伊坂幸太郎
魔王 (講談社文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
流行物は帰省したときに弟の本棚から貰ってくることにしています。
暗澹たる気分になりましたorz そういう気分にさせるつもりで書いてはるんじゃないのはわかってるけど。
伊坂さんに出てくる兄弟はいつもちょっと特殊ですね。平均値とはだいぶ違う。作者になにかコンプレックスでもあるのかと思ってしまう。



『死神の精度』伊坂幸太郎
死神の精度 (文春文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]
魔王ほどじゃないけど、やっぱり暗澹たる気分になりましたorz ウィットとユーモアに富んでても、人が死ぬ話は辛い。



アインシュタインが考えたこと』佐藤文隆
アインシュタインが考えたこと (岩波ジュニア新書) [ 佐藤文隆 ]
光一さんがあんまり言うから、相対性理論をきちんと勉強してみようと思いまして。で、一般成人向けの新書でもきっと私には難しいだろうから子ども向けから入ろう、いくらなんでもそのへんの子どもよりは理解力あるだろう、と考えて、岩波ジュニア新書。未知の分野に踏み込むのに、意外に馬鹿にできない岩波ジュニア新書。良い先生が書いていれば、信用できる素敵な入口になってくれます。この本は私が赤ちゃんの頃に書かれたものですが、30年近く版を重ねているということはきっと良書なのでしょう。
…しかしこれが強敵だったorz うわー、わかんねーー。○○ということは、○○ですね、つまり○○は○○なのです、と噛んで含めるように書いてくれてるんですが、「…え?なんで?」と躓く私。半分くらいで既に混乱の極みでしたよ…。やっぱ理系の才能ないのかな私。最後までページはめくったけど、脳内は「?」がぎゅうぎゅう詰めになってしまいました。
…と文学部同窓生の友達(キンキ無関係)に訴えたら、彼女も最近興味を持ってニュートンの相対論特集号に挑んだものの、挫折したそうです。はは…類友。今度はニュートンに挑戦すべきか。大人しく諦めるべきか。とりあえず剛さんはムーじゃなくてニュートンを読んでください。ムーを読むなら嘘くさいオカルトを楽しむっていう前提を理解した上にしてください。



『できそこないの男たち』福岡伸一
できそこないの男たち (光文社新書) [ 福岡伸一 ]
釣りっぽいタイトルですが別に女尊男卑ネタではなくて、単為生殖なら雌だけで済むところを有性生殖のほうがなんやかんや都合がよくなってきたんで雌を強引に改編して雄を作りましたという話から、かな。
あちこちの雑誌に掲載されたコラムをまとめたものなので、若干重複してたり拡散してたりもしますが、文系の小説読みにとっては相変わらずとてもわかりやすくて面白かったです。…こういう話なら理系でもわかるんだけどな…どうも目に見えないものや体験できないことの類を理解するのが苦手だ。
分子生物学の話もさることながら、科学者たちの人間模様も興味深かったです。



裁判員制度の正体』西野喜一
[rakuten:book:12108697:image]
目一杯裁判員制度否定の立場の解説書(読者を裁判員制度は悪ですよと説得するために書かれているので、いやそれはさすがに言いすぎなんでない?ってとこもある)。私はもともと裁判員制度なんてナンセンスだ派なので、読めば読むほど「ですよねー」としか思わないし、逆の立場のものは読んでいないので(ちゃんとしたいなら読むべきなんだろうけど…)これが良い本なのかどうかは判断できませんが、わかりやすかったです。



『延長戦に入りました』奥田英朗
延長戦に入りました (幻冬舎文庫) [ 奥田英朗 ]
弟の本棚に奥田英朗がなかったので、今まで読んだことがなかったのですが、よく見たら1冊だけ転がっていました。
かなり面白かった。スポーツエッセイだけど、全然スポーツエッセイではない。スポーツに全然興味ないけど、むしろ世間が盛り上がってるときのなんちゃってナショナリズムとか苦手だけど、全く問題なく楽しめました。なんかよそ見して本筋に関係ないとこばっか注目してはる。そしてへそまがりの自意識を持ってはる。おこがましさを承知で言うと、あーなんか私の精神構造と似てるかも…と思いました。面白かったので、今更ながら、前に友達に薦められた伊良部先生シリーズを読んでみようと思います。



『ドミノ』恩田陸
ドミノ (角川文庫) [ 恩田 陸 ]
とあるささいな理由から手を出してみました(ご用とお急ぎでないキンキファンは登場人物紹介をご覧あれ)。
うーん、それなりに面白くはあるけれど。やや恩田作品らしからぬ作風だけど。楽しかった!ていうほどでもない。恩田陸って、私にとっては、どれを読んでも「あと数歩ですごく面白くなりそうなんだけど…」という何か物足りないミドレンジャー作家さんなんですよねえ。