神の火

文庫版。久しぶりに高村薫。いつもながら物理化学だか重工業だかの記述は全くわからないし、国際問題や裏社会はもっとわからないし、主人公の乾燥肌っぷり不感症っぷりったらないし、唐突な発火っぷりったらないし、「虚無と熱情」ってこういうののことを言うんだよまさに主役に「無意」という固有名詞を与えたいよってそれは愛ルケだ女史の作品をくだらないものと結びつけてほんとすいませんでも愛ルケの前が新リア王だったんですよね、登場人物たちがなんでこんな心情に至るのやら全くわからないし、出てくる人々の誰にも感情移入できないのだけれど、このたまらない面白さたまらない魅力は何故だろう何故かしら。下巻の前半の島田さんがあちこち妙に天然のおもしろい人になってたんですがあれは一体。