児雷也豪傑譚話

新橋演舞場
蝦蟇の妖術使いのヒーローと、その妻でナメクジの妖術使いと、2人の親の仇の大蛇の化身の話。所謂3すくみというやつですが、これって永遠に主人公が敵に勝てないんじゃ…。まぁ妻と力を合わせ、さらに宝刀を使うと勝てるらしいです。あいこプラスアルファで勝てるってことだろーか。しかしナメクジ。蛇や魚や鳥の化身の女性は古今東西たくさんいるけど、ナメクジ系ヒロインて。大丈夫か。ぬらっとな。
脚本は現代の観客にあわせてすっきり作り直されたそうで、とってもわかりやすいです。いつもの伝統的通し狂言みたいにあっちにそれたりこっちにそれたりしない。シンプルに敵討ちと大団円。初めて見る人にも入りやすいかもしれません。画的にも単純に面白いし。ザニファンにもおなじみの例の掃除機のホースのような大蛇と吉野の蔵王堂の蛙神事みたいな(通じません)蛙の着ぐるみと、ばかでかくてテカテカしたナメクジの着ぐるみが勢ぞろいして舞台の上を右往左往するんすよ…しかも全員目がぺかーと赤く光る。どーしたええねん。色物シーンはそんなですが人間さんたちのビジュアルは素敵です。若いし。鳥にまたがったフライングも楽しかった。
ブレイクタイム的に、義賊になった児雷也が金持ちをだまくらかしてまんまと千両箱をせしめる話も入ります。半分現代みたいなコミカルな場。家は南蛮風だし音楽はビバルディの春とボレロだしブランド狂いのおばちゃん役の菊五郎丈はケバケバの化粧にきんぎんぎらぎらの着物に真珠の髪飾りざらざらに羽扇(御大…)。松也くんの女形は大変美しいのでいつもついロックオンなのですが、今回ここん家の娘役をやった松也くんはビズアル系の女の子みたいで超かわいい。