貞操花鳥羽恋塚

いただき物のチケット。国立劇場
血が飛ぶ首が飛ぶ死体の山ができる妖怪変化が出るポルターガイストが起きる。うわー南北だ…(笑)。
大詰めは「袈裟と盛遠」がベースですが、けなげな女の哀れさ…というよりはつーか男子たちひでーよオイ!みたいな。生き別れのお兄ちゃんと袈裟に言い寄る恋人2人がいるわけですが、袈裟が首を切られて死んだ後で全員が「いや実は彼女を殺して高倉宮(以仁王)の身代わりに差し出そうと思っててさぁ」「あ俺も俺も」とか言い出す。いやいやいやあんたら。そんでもって敵討ちをするとか言って盛り上がってた蔵人と小磯はどうなった?天狗になって声高らかに飛び去った崇徳院はどうなった?特に気にしなくていいのか?
スーパー歌舞伎でない宙乗り初めて見ました。兄貴昇天用みたいに天井を斜めに横切るワイヤーが仕掛けてあったけど、飛び方は全然違ったー。完全に暗転した後、スポットが当たったときには既に中空にいて、腰の両脇2本吊り式で、何度も見栄を切るみたいにしながら2階へ飛んでゆく。座長の美しく静止した昇天とは全く趣が異なりましたよ。

あ、そうそう。袈裟と亘と盛遠が顔を合わせて恋の鞘当一触即発超シリアスな場面で、突如3人で長屋コントを始めるのが大変面白かった(そしてコント自体も面白かった)。ええっなんだそりゃ!そしてあるきっかけで何事もなかったかのように唐突にもとのシリアスに戻る。どういうことだそりゃ!こういう何でもアリやったもん勝ちのエンタテイメント、好きだなあ…(笑)。