エリザベート

puchimei2005-09-30

本日のキャスト、内野さん鈴木さん井上さん苫篠くん。


閣下inドクトルコスが「青い、顔色…♪」と歌うたびに「お前がな!」と内心突っ込まずにいられない私のような者が楽なんて観ていいのだろうか。「"2人で踊った"婚礼の夜を憶えているだろう?」ってそれは怯えるシシィを勝手に激しく振り回してたアレのことか?とか。


いやいやいやいや千秋楽です。最後です。必死で観てます。周りの皆様もオペラグラスの気合いが違います。一秒も見逃すまいとお目当ての役者さんが登場する前から出の位置に「カッ!」とロックオンです。私もがんばります。マデレーネをガン見です。しかしタチアナも気になります。


出演者の皆様も熱気たっぷり。ああこの「愛と死の輪舞」も「最後のダンス」も机に横たわるのもドクトルも見納め。悪魔笑いも「ハッ!」笑いも見納め。目を細めたり見開いたり口端つり上げたり流し目したりするもの見納め。さめざめ。どこまでも怪しい閣下。すぐ顎に手をかける閣下。顔にかかった前髪を頭を振って払う閣下。うっとり。…いつも顔見て笑ってごめん閣下かっこいいと思ってるのよでも顔コワイ顔コワイ!(…あ、なんか今、私が内野閣下をリピートする訳が妙に納得できてしまった…)いや真面目な話、シシィを愛してる、なんだか人間くさいちょっと可愛いトートが大変好きでした。あと内野さんの声めっちゃ好きやったなぁ…。(でも「あなたは…そっと、私…にも、微笑みかけているぅぅ〜♪」の最後のあたりの声がちょっと美川憲一ぽかったわ。…すんません。)


一路さんの「私だけに」、素晴らしかった。圧倒されました。客席からも長い拍手。「私が踊る時」は2人とも迫力ありまくりで大喧嘩の様相を呈してます。うふふ。たまらん。「魂の自由」は鳥肌。ラスト、トートのもとにたどり着いたシシィは泣いてました。しっかりキスして、幕。ああよかった…満喫した…やっぱりこれがなくては。


バート・イシュルで出てきたルキーニが手ぶら。あれ?荷物は?と思ったらシシィがよろよろ運んできた!(笑)楽日のお遊びなのかしら?しかし「計画通り」でもハンガリー戴冠式でも皆の間を飛び回るはずのルキーニがセットにもたれて斜に構えてる。シシィが刺されたとき手を伸ばすマックスパパとルドヴィカママの幽霊を袖に押し込むのもなし。一体何が…?という疑問はカーテンコールで解けました。高嶋さん、本当なら歩けないほどの大怪我をされてたそうですね…。嗚呼ショーマストゴーオン。


井上殿下は2001年以来。とはいえ当時は私が舞台というものに興味を持ち始めたほんの初期で、ひたすら見とれてただけなので、今回が初鑑賞同然。井上さんの声はあまり好みでないのだけれど、演技は流石、かな…。陛下との諍いとか、謹慎を命じられて陛下に追いすがるところとか。スレンダーで背がすらりと高いとこも、父の身長は越えたけれどまだ大人としてのバランスがとれてない不安定な青年皇太子って感じでよかったかも(いや実際はヒゲ持ち妻子持ちの30男だとは百も承知)。マイヤーリンクで閣下に退路を絶たれてなお逃げようとするときの怯え顔が秀逸でした。涙を浮かべてぶるぶる震えながら半開きの唇でうっすら笑ってピストル握ってるとこも。



カーテンコール。最初のカーテンコールで、内野閣下はいつもの右手くるくるのお辞儀の前に左右それぞれに向けて「ゲッツ!(古)」だか「死刑!(もっと古)」だかのポーズしてました。
さて言葉は正確に覚えてないのでこんな要旨でした…ということでお許しくださいませ。村井パパの司会でご挨拶。「本日で569回目の公演ということで。私もこの舞台には最初から出演…してないね」とか「たくさんのお客様がね、3階席にも」とか「代表で6人にご挨拶をいただきます。ほんとは私が7人目なんですが…」とか素なんだかボケなんだかゆるーいトークの村井さんに、あはーと大口開けて笑う一路さん。その後も笑いをこらえるようにうつむく一路さん。(かわいい)。
寿ゾフィー様は「お稽古が始まったときはご迷惑をかけないでできるのかととても不安でしたが、カンパニーの皆様に、また開幕してからは客席の皆様に力をいただいて、どうにかやってこれました」と涙ぐんでおられました。
村井パパに「この人の帰りを待ちわびていたファンも多いでしょう、大学を卒業するのに6年もかかって、3年ぶりに復帰した井上君」とか紹介された井上ルドルフくんは「出戻りのルドルフです」とご挨拶。「小池先生、東宝関係者の皆さん、その他諸々の方…」とぬかりなくお礼を述べましたが「その他諸々」で客席からはくすくす笑いが。きっちりM!公演の営業もして、締め。でも噛んだ(笑)。
鈴木陛下と村井パパは漫才。「この男は今回の公演中ずっと悩んでおりました。どう演じたらいいのかと悩んでいたのですが、ただこの男、悩みが実を結ばないタイプで」「そんなぁー」。いや楽しい。さて鈴木さん「フランツ…ヨーゼフ…、鈴木、綜馬です」…なんやろこの間は?(笑)「舞台って…空間芸術でしょ?(客席笑う)ですよね。演じている側から終わって消えてゆくもので。今日はシーンが終わる端からスタッフがセットを片付けていっていて、その間を縫って舞台へ向かうわけで、そんな光景が千秋楽の裏側なのですが、瞬間瞬間に消えてゆくその消失がどこへ行くんだろうなぁ…と思ったときに、ああお客さんの胸の中に行くんだなと。そしてその中で拡張してゆくんだなとふと気づきまして…とても嬉しくなった千秋楽でした」といいお話を。会場拍手。キッチュ!ルキーニ仕切りをしてみる鈴木さん(お約束)。「いやこれがやりたくてこの話をしたわけじゃないんだけど!」
ここで高嶋さんが大怪我をなさっていたと村井さんの口から。高嶋さんは「今まで、『舞台に立てるのは周りの皆さんのおかげ』『お客様のおかげ』と言葉にしてきたし、本当に思っていたけれど、今回心からそう実感しました。出演者の皆さんもスタッフも劇場関係者もエレベータの係の人にいたるまで、なんて素敵なカンパニーの中で芝居をできるんだろうと思いました」とお礼を言われました。その後のカーテンコールでは車椅子で出てこられました。そんなにひどかったんですね…。その車椅子を笑顔で押すゾフィー様や閣下。なんだかいい光景。
お次は閣下。村井パパは「私の楽屋は6階にあるのですが、右隣が彼、左側が綜馬くん(て呼んでたっけ?)、斜向かいが井上くんでして。今日はこの3人ですが、この面子がそろったのが私の不幸の始まりで…。まず右からはWowWow〜♪と聞こえ、向かいからはやみがーひーろーがァーるゥー♪と聞こえ、そして左からはあぁ〜あぁ〜♪(←なんか暗く)と聞こえてくるんです」場内爆笑。一路さんもぺたんと尻餅ついて笑っちゃって、閣下が手を取って立たせてあげました(笑)。「しかも全員全曲歌う。対抗しようと私も全曲歌ってみましたが3分で終わりました」また爆笑。「その中でも特にしつこいのが彼(閣下)です。いつまでもやってる」「…そんなにやってた?」と笑いながら前に出る内野さん。そういや500回記念の挨拶の時もそんなこと言われてたな…。「みなさんのすごいパワーをいただきながら演じることができました。中でも客席からはすごい…すごいパワーを感じて(あははは…)。高嶋さんもおっしゃいましたがほんとうに素晴らしいカンパニーに恵まれて。誰かが怪我をすると皆がぎゅっと終結するようなパワーに溢れたカンパニーの、その中でこんな死神の仕事ができて(客席くすくす)幸せでした。ミュージカルに出るのは初めての経験で、ターニングポイントになりました。また機会があれば降臨したいなと思います」というようなことを。閣下の格好のまま急に生真面目な好青年になる内野さん。おもしろかわいい。落ち着かなさげに照れくさそうに語っておられる。役者さんてこういう方多い気がするけど…何故だ、一般人からしたらさっきまでのパフォーマンスの方が余程恥ずかしいよ!(笑)
「この人には100の褒め言葉を並べても足りません」と紹介された一路さん。「エリザベートを1人でずっと演じ続けるのは大変でしょう?といろんな方に言われるのですが…」と話し出されたのはおぼえてるんですがすいません見とれてて記憶が飛びました…!一路さんらしい、誠実なご挨拶でした…。「まだまだ終わりではないと信じておりますが、皆様に深く感謝しております」と最後にカンパニーや客席に向かって深々と頭を下げておられたのは印象に残っております。

その後は延々続く拍手拍手。10回くらい幕があがったかな?全員で記念撮影風にぎゅっと集まってた時はトートダンサーがセットの二階にみっしり詰まっててかわいかった。(そして次に幕が上がったときに1人降り損ねてあわあわしてたような…)2人でのカーテンコールは、内野さんが一路さんの左手を取って袖から出てきて、2人で投げキス。そして一路さんの前をくるっと半周して右手を取り直して袖に帰っていかれました。微笑んで手を振るシシィと、にぱーと笑ってる閣下。かわいい…。次は最初から中央にいて、客席に背中向けて衣装の裾を両手で持ってひらひら広げてる閣下と、その向こうに隠れてる一路さん。かわいい…(今日何度目だ)。最後は全員出てきて、一路さんとちびルドルフ君が、ありがとうございました!さようなら〜!とおっしゃって、さよならでした。



ああ楽しかった幸せだったお腹いっぱい…。行けてよかった。
「近々またお目にかかれるらしい、という噂がありますよ〜」と皆おっしゃってました。ふーむ、しかし帝劇がまだ空いてる時期を考えると…キャストはどうなるのかなー。