ジーザス・クライスト=スーパースター

エルサレムバージョン、四季劇場「秋」。
やっぱりこれが好き。自分の信じた道だけを歩きつつ戸惑いや寂しさや苛立ちという感情も覗かせる人間ジーザスと、ジーザスを尊敬しつつ女として愛するマグダラのマリアと、人間としてのジーザスを愛しているからこそ彼の破滅が予測できてしまい苦しむ現実主義者のユダ。そして盲目的に救い主ジーザスを祭り上げる群集。100分間、休憩なしで一気に展開します。
切ないの。悲しいの。でもどうにもならないの。直高好きは絶対ぐっとくると思う!←そこかい。というかもともとこのお芝居を知ったのはミラージュのあとがきですし。感動しつつもユダの衣装とかにちょっと笑ってしまうあたりもなんだかミラージュ〜(無礼千万)。これまたミラージュ繋がりで、知ってる人はぴんと来ると思うのですが、この脚本って太宰治の『駆け込み訴へ』にやや共通するものがありますよね。ジーザス・マリア・ユダの三者をこういう捉え方するのって、そこまで突飛でもないのかしら。はて。
下村さんのヘロデ王怪演はスゴかったです。
あ、そういえば今回初めて音楽が生じゃないのが気になりました。スピーカーに近い席だったからかなあ。