眼中の人(ISBN:400311471X)

先日の『六の宮の姫君』に引用されていたこの本へ読書リンク。
著者の修行時代に交流を持った、忘れえぬ先輩たち…ということで、芥川、菊池、鈴木三重吉など「有名人」がぞろぞろ出てきます。
全体に読みやすい文体でユーモアを交えつつさらりと描写してありますし、随所に生身の作家たちの様子を垣間見られてとても興味深いのですが、強烈に光り輝く天才のそばに身をおく人々の苦悩というのは計り知れないのでしょうね…。才能がないから悔しいんじゃない、自分が持っているのと同じ才能をより多く持つ者がいるから苦しいんだと以前何かで読みましたが、なるほどなぁと。でも、悩んで苦しんで試行錯誤して、ついに自分だけの道がひらけた人の姿というのは美しいですね。
…で。やっぱり芥川氏と菊池氏の友達関係はなんだかいいな。いっそ軽く…いやいやいやいやいや。実在のエライ人にそれはしたアカン。写真も残ってるしね。